2025年8月15日
華武太極館 木村泰枝
今年の1月17日(金曜日)に岡山市内にあるノートルダム清心女子大学で、王革先生に「中国伝統文化太極拳―紹介と演武」と名打って講演をしていただきました。
これは王先生にとっては、この頃力を入れている地域交流活動の一つでした。
そして、講演を聞きに来た学生さんたちは、中国語の教科書に出てくる「太極拳」がどんなものなのか実物を見たいという強い興味を持っていました。
演武に先立ち、王先生は「中国伝統文化」として太極拳の中に流れ込んでいる、古来より各地に発生し、受け継がれてきた武術や思想を紹介しました。
そしてその総体としての太極拳を紹介しました。また、「太極拳」として形を整えた後、どのように中国や日本の人々の間で受け入れられ伝承しているかを話しました。
当日のプログラムをご紹介します。
㈠中国伝統文化太極拳のご紹介(PPT30分)
・中国武術、少林拳・武当拳・太極拳の部分(王革)
・日本太極拳部分(木村)
㈡太極拳の演武 (王革)
・呉式太極扇
・42式総合太極剣
・陳式太極拳
㈢カンフー体操と太極拳の体験(王革、木村泰枝)
カンフー体操も太極拳も今回のためにチャレンジした8式でした。
【司会進行中:木村泰枝】
講演の部では、まず太極拳は、中国武術の中の一種であり、中国武術には約400種類の流派・拳法が存在することを説明しました。
次に、太極拳誕生の歴史的背景に触れ、その先駆けとなった「少林拳」と「武当拳」の紹介をしました。
「少林拳」は達磨大師によって伝えられ、仏教の修行として発展しました。さらに儒教の教えも取り入れ、精神的な修養と身体鍛錬が融合した拳法で、「剛=強さ」を重視する拳法として知られています。
「武当拳」は道教の教義と中国の土着信仰を背景に、体と精神の調和を目指し「陰陽」の循環思想を体現しています。「柔=しなやかさ」を特徴とし、内功を重視した拳法です。
「太極拳」はさらに「剛と柔」、そして「内功と外功」を融合させたものであり、特に発勁の技術に特色があります。
太極拳は、幅広い年齢層に適応できる特徴を持ち、健康増進を目的として朝の公園で行う一般の人から、各地の武術館で技を修練する個人、さらには世界の舞台で活躍するプロ選手や訓練を積んでプロを目指す子どもたちまで、多様な形で実践されています。
太極拳は、老若男女問わず行える手軽さを備えていながら、生涯にわたり深く追求できる奥の深さをも備えています。一方で、スポーツとしてアマチュア、プロにかかわらず、優劣を競う競技としても存在することが可能です。浅く関わることも、深く関わることも可能な幅の広さが太極拳の魅力でしょう。
講演の準備をする期間は1カ月半というタイトなものでしたが、王先生はPPT(プレゼン用ソフト:パワーポイント)を作り、日本語原稿を練り、私にも内容や構成にアドバイスを求められ、何度も修正を重ねて準備されました。
講演前日の1月16日の夜も、LINEでやり取りしながら、PTT の最終調整と発表の練習を行いました。
本当に真摯に講演に向き合われていました。その甲斐があって、当日は流暢な日本語で太極拳についてしっかり紹介され、学生たちも興味深く聞いていました。
【講義中・王老師】

【陳式太極拳演武中・王老師】

講演の最後には、学生たちが実際に王先生と共にカンフー体操や太極拳の動作を体験するコーナーが設けられていました。
多くの学生がステージに上がり、真剣に取り組む姿が印象的でした。
初めはぎこちなく中腰で拳を繰り出していましたが、王先生からは「若いからこそ足腰がしっかり踏ん張れて、中腰の姿勢をきちんと保てている」と高く評価されました。
【ステージ体験・学生たち】


講義後に実施したアンケートでは、多くの学生が太極拳の演武を初めて見て、その迫力に圧倒されたことや、体験コーナーで実際にやってみて、ゆっくりした動きに見えるけれども、実はバランスや集中力が必要であることを発見したこと、普段使わない筋肉を使い、意外と疲れることに驚いた、などの感想が書かれていました。
中には、もっと長く体験コーナーを取ってほしかった、という要望もあり、王先生もうれしく思われたそうです。
「太極拳」と言えば、ともすれば、健康増進のため、あるいは中高年の体操ぐらいのイメージで捉えられがちですが、実は「中国伝統文化」として、長い歴史の中で培われたものであり、中国や日本だけでなく、世界中に愛好者がいて、手軽に取り組め、希望するなら、奥深い境地にまで学びを進めることができる魅力のあるものだということを発信できた講演でした。
posted by Huawu at 00:12|
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